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病害虫図鑑

気になることを見つけたら、まずは原因を突き止める。

病害虫について

病害虫が蔓延してからの完治・駆逐は非常に困難。

そうならないように予防に努めるのが一番です。

まずは下記の項目をチェックしてみましょう。

 

【病害虫の予防に有効なチェック項目】

 ・雑草を綺麗に処理しているか?

 ・掃除が行き届いているか?

 ・敷地内に排水されずに水が溜まっている場所がないか?

 ・病害虫にかかっていたり、病害虫によって枯れた植物の鉢や土を敷地内に放置していないか?

病害虫を発見する前、できればイチゴ栽培を始める前に上記項目をチェックしてきちんと対処しておくことは、病害虫の予防のために非常に有効です。

栽培する環境を観察する

さらに、イチゴを栽培する環境をよく観察してみましょう。
日照時間や風通し、ベランダであれば高温・乾燥する環境かどうか、庭であれば水はけが良いかどうか……などをあらかじめ把握しておけば、どういう病害虫が発生し易いか予想することができます。

予想ができていれば、適切に経過観察することができ、常に先手を打つことができますし、病害虫が発生した場合は発生源を突き止めるのに役立ちます。

栽培する環境に棲んでいる動植物を知る

また、庭などの場合はどんな動植物が棲み着いているかをよく観察しておくことも大切です。

豊かな環境であるほど沢山の動植物が棲んでいるもので、捕食や共生など、互いが関係し合いながら生きており、よく観察すれば調和が取れていることが分かります。

虫と見るや闇雲に薬剤を散布して駆除するのでは、益虫を駆除してしまったり調和を乱してしまい、却って状況を悪化させることにもなりかねません。

ある程度環境を把握しておかなければ、どういった対処・駆除方法がより良い選択なのかの正しい判断をすることが難しく、農薬散布の回数が増えることになりかねません。

折角自家栽培で安全なイチゴを栽培できる機会なので、栽培する環境をじっくり観察し、動植物に最も優しい栽培方法を模索されることをお勧めします。

 

情報を活用する

病害虫の予防には情報も重要です。

趣味の家庭菜園ではありますが、農林水産省の病害虫発生予察情報を定期的にチェックしましょう。

国が取り組んでいる「発生予察事業」の対象病害虫(指定有害動植物)には、イチゴの病害虫も含まれており、1ヶ月おき・都道府県ごとに発令される注意喚起(予報)を確認することができます。

同じ都道府県の情報は自分の栽培環境と似た気温・天候であるため、大いに参考になります。

害虫について

アブラムシ

 

画像は有翅型。沢山見かけるのは羽のないタイプです。

一番よく見かける害虫で、葉・茎・花・果実いずれにも集ります。

バリエーション豊かな繁殖パターンと、生まれる時に既に体内に子を宿しているという凄まじいライフサイクルで、あっという間に爆発的大繁殖を遂げる厄介者。

毎日株を注意深く観察し、見つけたらその場で手で潰して、大繁殖を未然に防ぐのが最良策。

様々な植物に集るので、他の植物を同じ敷地で育てている場合は、敷地全体をまめにチェックする必要がある。

ハダニ

アブラムシと並ぶ、メジャーなイチゴの害虫。

クモの仲間なので、大繁殖すると糸を吐いて株全体を覆い尽くし、株を著しく弱らせる。

様々な植物を寄主とするため、例え見かけない状態であっても敷地内のどこかに常在していると思って日々予防に努めるのが吉。乾燥状態が続くとあっという間に繁殖する。

水に弱いので、毎日夜間に葉裏にスプレーで葉水を打つことが非常に有効。

イチゴに害をなすハダニの天敵もまた見た目の酷似したダニであり、1mmに満たない小ささのため、肉眼で見分けることは困難。

画像のハダニも害虫種なのか天敵種なのか正直なところ分からない。それでも見つけたら手で潰すのが吉。

アザミウマ(スリップス)

主に花に寄生するが、葉や果実にも食害を及ぼす。

効果的な薬剤が少なく、増殖が早くて大繁殖しやすく、天敵が少ない上、移動距離が長い…など、一旦発生すると捕殺では駆除が追いつかない厄介な害虫です。

こちらも様々な植物を寄主とするため、他の植物を同じ敷地で育てている場合は敷地全体をまめにチェックして、アザミウマが敷地内に入らぬよう心がける。

※画像はWikipediaより

ヨトウムシ

大きく育つと日中は土に潜って過ごし、夜間に葉や茎を食害するが、左の2枚の画像のような鮮やかな薄緑色の幼齢の間は日中も葉の裏にいて、葉を食害する。

極小さな幼虫の場合は葉の表面を残して食害し、大きくなると葉に穴を開けるため、葉に残された食害の跡でどの程度の幼虫が潜んでいるか目算が立つ。

極小さな幼虫のうちはシャクトリムシのような歩き方で、イモムシ系の中では移動速度は早い方。

触れると丸まってポロリと葉から落ちてしまう習性があり、そうなると見失いがちなので、そっと葉を裏返してチェックする。

幼虫が大きくなる程被害が大きくなるため、小さなうちに見つけ次第捕殺する。

大きな幼虫は夜間に活動するため、夜の葉水打ちの際にしっかりとチェックする。

ヨコバイ

 

上…………成虫に脱皮したてのヨコバイ

中央………幼齢のヨコバイ

一番下……被害画像

横に這うようにして逃げるのでヨコバイという命名とか。

5mm程度の非常に小さな虫です。

実際に見るとバッタの仲間のような印象を受けるが、実はセミの仲間とのこと。

セミ=吸虫です。イチゴの葉にもやってきます。

ヨコバイには種類が様々あり、イチゴの害虫として有名なのはカキノヒメヨコバイ。

葉に色ムラができて〝まだら〟になったり、葉脈の部分が曲がって葉が変形したりといった被害を及ぼす。

イチゴに悪さをする菌を媒介するなどの報告はネット上では見られなかったし、あまり農薬を使いたくはないものの、被害の状況や程度によっては速やかに駆除の必要がある虫です。

ダンゴムシ

 

我が家の庭に大量にいて、ギボウシ(ホスタ)の新芽を完食するレベルで喰いますが、イチゴの葉は土に直接接している部分を気が向いた時に喰う感じです。

敷き藁を敷くことが、ダンゴムシによる葉の食害を防ぐことにつながっているようです。

枯葉を分解する益虫でもありますが、イチゴにとっては果実を齧る害虫なので駆除対象。

しかしあまりに大量発生していたら駆除するよりも果実に袋がけした方が、農薬を撒かずに済む上、手っ取り早くて確実です。

イチゴ用の有機系の置き肥(ペレット状)を撒くと、大量に集まってきて夢中で食べます。

肥料の養分を結構掠め取られているのではないかと思います。

ちなみに、画像はメスです。背中に模様があって茶色っぽいのは9割型メスです。オスはもっと濃いグレーの単色です。

ナメクジ・カタツムリ・キセル貝

 

ナメクジ・カタツムリ・キセル貝は陸棲の貝の仲間です。

特にナメクジは人家の側にわきやすく、丹精込めて育てた収穫間近の果実を食害して大穴を開けるので、栽培者にとっては憎い存在。

昼間にも見かけますが、夜間の方が活発に活動するので、トラップを仕掛けておくなどしておき、夜間にチェックして捕殺する。

被害が頻発する場合は袋がけや薬剤の力を借りるのも良いでしょう。

画像は我が家の庭にいるキセル貝。

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カメムシ

 

非常に種類が多い昆虫で、害虫種も益虫種もいる。

害虫の場合は葉の汁を吸うが、成長点に集ることが多いので、酷い場合は芯止まりになってしまう。

益虫種の場合はアザミウマを食べてくれる天敵となる。

明らかに大繁殖していてイチゴに寄生しているなどの場合は速やかに駆除するが、ただ見かけただけという場合はとりあえず写真を撮影しておいて、ネット検索などを利用しながら防除・経過観察するべきかどうか判断すると良い。

益虫について
害虫について

ホソヒラタアブ

画像は左右の複眼の間に隙間があるのでメス。オスは左右の複眼が接している。

ホバリング能力に長け、素早く飛翔することができる。

非常に勝気で、花に先客の別の羽虫がいる場合は追い立てて退かせてしまう。

成虫は受粉を手伝ってくれる上、幼虫はアブラムシを食べてくれます。

​イチゴにとってベストパートナーといえるでしょう。

<病気については現在準備中です。>

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